野鳥の保護

雛が巣から離れピーピー鳴いているのを耳にすることがある。飛べない雛は大概捕食者によって食物連鎖の中に消えていくことになる。たまたま人がこれを見つけるとかわいそうで助けようと考えたりする。
野鳥は基本的に人は関与してはいけないことになっている。特例として、ケガをして飛べなくなった野鳥、もしくは動物は保護の対象になる。自然に戻すことが前提だ。ケガが治ればその後は自力で生きていける。
一方、雛は状況が異なる。羽も生えそろっていないような雛は、巣に戻すことが出来れば親がまた育ててくれるかもしれない。そうで無い場合は、人が保護したとして、自分で餌をとれるように指導されなければ生きていけない。普通、親鳥がそれを巣立ちにあたって指導してくれる。人がそれをすることは無理だ。ということは巣から落ちた雛を見つけたとして保護しても、野に返せば餓死するか捕食者にやられるかだ。かといってそのまま飼い続けると、下手をするとお縄を頂戴することになる。実際、メジロを捕まえて飼っていた男が書類送検されたことがある。次やれば実刑が付くことになるだろう。犯罪者だ。
野に生きる生き物が雛の状態で親の庇護を放れればそれはもう仕方が無いことなのだ。
まあ、こんな事を小学生に言っても仕方のないことだが、中学生とも成れば理解して貰いたい。
ちなみに、野鳥を素手で触ってはいけない。これは鳥では無く人のためだ。インフルエンザウィルスとか未知の病原体は渡り鳥や鳥を介して地球規模で拡散されている。鳥は人に悪さをするウィルスとは共生しているので、自分は発症していなくても人にウィルスを移すことがある。気をつけよう。良くちまたで言われるように人の匂いが付くと野鳥から仲間はずれにはされる、と言うことはないのでそれは安心してもいいらしい。